そういうことがあった、という話

備忘録のようなものですが、思うこと。



家族とは。


血が繋がっていれば家族、なんてことはないと思っている。過去を覚えていなくても家族は家族のままで有り続けられるのか。記憶を失った自分は、戸籍上の関係としか言えないような相手を家族と思えるのか。

否だと思う。

そこには言葉以上に大切で重要な関係性がある。


自分の家族について考える。
気付いた時には片親で、姉は二人。周囲の同級生には当たり前のように両親がいたけれど、片親であることは自分にとっては苦ではなかった。自分のおかれた立場が最初から「そういうもの」だったから。

いま、自分は、親元を離れて一人暮らしをしているけど、その間家族とはほとんど連絡を取り合っていない。たまに地元に帰る時に顔を出すかもしれない、そのくらいの連絡。

大切に思っていないわけではない。気に留める必要もなく、各々が各々で独立した行動をするので(家族は一緒に暮らすべきうんぬんとは言わない)ので、今は心配はしていないというだけ。


要約すると、自分は家族に対して特別な関心はない。


どうなろうが知ったことではない、というわけではないが、何しててもきっとまあ大丈夫だろうという気持ちの方がある。離れていても安心・信頼のおける関係というのは、家族である/なし に関係なく、善いものだと思っている。

自分にとっての「言葉以上に大切で重要な関係性」とは、そういうものだと思う。
誰に対しても。



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After Thet View

記憶から欠落した血縁は、俺が家に帰るのを本気で待っていた。
帰るのは身体だけじゃなく、心まで帰り来るのを願っていたのだと思う。
かつて、ここは壊れた場所だった。
記憶から欠落した俺はきっと壊れたのを直すのに必死だったけれど。
結局それは直らないまま、俺は家を飛び出してしまった。
……今はどうだろう。
表面上は修復され、以前の影はなりを潜めている。
けれど、よく見てみると継ぎ接ぎだらけで、触れたらまた壊れてしまいそうな。

そんな、家族だった。






伴坂

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